確率の基本(basics of probability)
用語まとめ
名称 | 英語名称 | 数学記号 | 説明 |
---|---|---|---|
起こりうる結果 | possible outcomes | ある試行においてとりうることが可能な値 | |
標本点 | sample point | $\omega$ | 起こりうる結果のひとつひとつのこと |
標本空間 | sample space | $\Omega$ | 標本点のすべての集合 |
事象 | event | 標本空間の部分集合 | |
全事象 | sure event | $\Omega$ | 標本空間と同じ |
空事象 | empty event | $\phi$ | |
拝反事象 | mutually exclusive events | $A \cap B=\phi$ | AとBが同時に起きない事象 |
和事象 | union of events | ${A}\cup{B}$ | AとBの集合のうち少なくとも一方の事象が起きる事象 |
積事象 | intersection of events | ${A}\cap{B}$ | AとBが同時に起きる事象 |
余事象 | complement of an event | $\overline{A}$ | 事象Aが起こらないという事象 |
確率 | probability | $P(A)$ | 事象Aが起こる確率 |
条件付き確率 | conditional probability | $P(A|B)$ | Bの条件のもと事象Aが起こる確率 |
標本空間と事象について
コイン投げで考えます。
コインを1回投げた試行の結果を「裏:0、表:1」とおきます。
このとき、
標本空間は $\Omega={ {0,1}}$ となります。
事象は $\omega={0,1},{0},{1},\phi$ の4つとなります。
事象は「標本空間の部分集合」のことです。
${0,1}$ は $0$ もしくは $1$ が出た場合の部分集合と考えれば良いです。
事象に関する法則および性質
和事象・積事象の分配法則
\[\begin{aligned} ({A}\cap{B})\cup{C} &= ({A}\cup{C})\cap({B}\cup{C})\\ ({A}\cup{B})\cap{C} &= ({A}\cap{C})\cup({B}\cap{C}) \end{aligned}\]ド・モルガンの法則
\[\begin{aligned} \overline{ {A}\cap{B}} = {\overline{A}}\cup{\overline{B}}\\ \overline{ {A}\cup{B}} = {\overline{A}}\cap{\overline{B}} \end{aligned}\]加法定理
\[\begin{aligned} & P\left( A\cup B\right) =P\left( A\right) +P\left( B\right) -P\left( A\cap B\right)\\ & P\left( A\cup B\right) =P\left( A\right) +P\left( B\right) & \cdots (A \cap B=\phi のとき) \end{aligned}\]条件付き確率
ある事象 $A$ について別の事象 $B$ が起こったときの事象 $A$ が起こる確率を、 $B$ を条件とする $A$ の条件付確率といいます。
\[P\left( A | B\right) = \dfrac{P\left( A\cap B\right) }{P\left( B\right) }\]乗法定理
条件付き確率の公式を組み替えると作れます。
\[P\left( A\cap B\right) = P\left( A | B\right) \cdot P\left( B\right)\]独立性
ある事象 $A$ において別の事象 $B$ に事象 $A$ が起こる確率が左右されない場合、この二つの事象は独立しているといいます。
\[P\left( A | B\right) = P(A)\]このとき乗法定理は下記となります。
\[P\left( A\cap B\right) = P(A) \cdot P\left( B\right)\]参考文献
- 東京大学教養学部統計学教室『統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) (日本語) 単行本 – 1991/7/9』